腸内細菌の驚愕パワーとしくみを読んで

なんだか小学生の夏休みの読書感想文のタイトルみたいですが。農学博士の辨野義己先生が、2016年5月に出された本です。

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腸内細菌のベンノ先生とか出来過ぎですよね…と、あらゆるところで言われているに違いない。

特に気になったところだけ覚え書き。

覚え書き

腸脳相関

最近脳と腸の結びつきがあらゆるところで話題ではありますが辨野先生はあえて「腸」「脳」相関と、腸を上位に書かれています。

生物学上でも先に生まれた「腸」という臓器のほうがエライ?

腸は脳からの指令が無くても動ける神経を持った唯一の臓器だそうです。

幸せを感じる脳内伝達物質「セロトニン」や「ドーパミン」はほとんどすべて腸で生産されてるんだってー。腸超大事。

母親から受け継ぐ第2の遺伝子

ヒトは生後1年以内に腸内細菌叢が決まるとされています。

その細菌叢は母親に似ていて、出産時の産道や周囲の膣内腸内細菌を受け継いでいるため腸内細菌は「第2の遺伝子」とも呼ばれる。お母さんの腸さらに超大事。

免疫機関としての機能も持つ腸

腸の内側は、食べ物=異物が通る外部。細菌などにさらされる危険が大きいうえに、栄養分を吸収する孔もあるため、腸は侵入者を食い止める最大級の防御ラインとなる。

外敵が侵入したときにまず攻撃するのが自然免疫。敵が手強いときに、抗体を用意して戦うのが獲得免疫。(この辺りは「はたらく細胞」でわかりやすく読ませてくれるので割愛して)

獲得免疫の特徴として自分自身を攻撃することなく侵入者だけを攻撃することがあげられる。しかし、体にもともとある細胞を「自己」外から入ってきたものを「非自己」と区別することができるはずなのに、うまくいかずに自己なのに敵だと錯覚して攻撃することがあり自己免疫疾患となることがある。

お便り所

大便は、体が自分の状態を教えてくれるお便り(レター)。

一日1回しっとりとした半練り状で色は黄褐色大きさはバナナ2本くらい。(そんな立派なお便りもらったことないわー(´・ω・`)ヾ(・ω・。)ヨシヨシ)

時代はシンバイオティクス

プロバイオティクス=生きたまま腸に届いて人体に良い影響を与える微生物、あるいはそれを含んだ食品(乳酸菌とビフィズス菌。ヨーグルトや納豆など)

プレバイオティクス=腸内の善玉菌だけに働き、増殖を促したり活性を高めたりすることで健康に有益な物質(オリゴ糖や食物繊維)

シンバイオティクス=プロバイオティクスとプレバイオティクスの両方を取り入れること(ヨーグルトを食べたり、野菜をとるように心がける)

腸内細菌と病気の関係

肉食過多ががんリスクを上げる。(←ここは耳が痛い。カ¨━━━━( ゚Д゚; )━━━━ン)

血糖値と腸内細菌の関係。腸内細菌叢を調べることで糖尿病のリスクがわかるようになるかもしれない。

腸内細菌叢のバランスが崩れると、腸管のバリア機能が低下して腸内細菌などが腸管を突き抜けて血中へ移行しやすくなり炎症性サイトカインを増加させる。この炎症性サイトカインが微小な炎症を引き起こすことが2型糖尿病の原因になる。(ここもっと詳しくplease!)

肥満も腸内細菌の影響が注目されている。腸内細菌の中のファーミキューテス類の一部で、消化されにくい多糖類までも分解してカロリーにすることができることが確認されている。腸内環境を整えることで肥満が改善されることも!

アトピー性皮膚炎の予防にも腸内細菌…といっても、妊娠中からの特定の乳酸菌の摂取で子どものアトピー発症が減ったという結果が出ているようですが、乳酸菌やビフィズス菌の摂取だけでアトピーが治るわけではないようです。

感想

まだまだいろいろな研究が世界各地でされている腸。数年後にはまた新しい発見がされているような気がします!辨野先生のこれからの研究に期待!